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岡村孝子クリニック受診 [日々雑録]

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今回も岡村孝子先生に治療していただきました(^○^)


「これは、あれだ、手術だな…」、

そう感じた昨年末の岡村孝子さんのコンサート。
今回もまた前回と近い感覚の“手術”の時間となりました。


少年時代から僕の人生を支え、むしろこの方によって人生が拓かれたともいえる
一生の恩人、岡村孝子さんのコンサートツアー「T’s Garden」初日に伺いました。
4年前に見つかった病気との闘いで一時は音楽活動もお休みし、
とても大切にされているコンサートを行えるようになったのは一昨年の9月。
年齢を重ねているにもかかわらず、大病を患う前よりもますます力強い歌声になり、
なんとも不思議なチカラを感じざるを得ません。
数々の歌に書かれている言葉にも表れていますが、
苦難をすべて力に変えてしまう人なのだと思います。


僕のほうはというと、相変わらずコロナウイルスとの闘いで
心が疲れてしまっている状態は続いているようで、
無自覚なままずっと心が張り詰めていることに、
岡村孝子さんが歌うこの場所に来ると気づかされます。

戴いた席がどセンターだったこともあり、
岡村孝子さんの言葉と音楽に正対するかのごとく全身の毛穴を解放し、
自分の細胞をかたちづくる音楽世界に身を委ねるのでした。




ソロ活動前の「あみん」時代も合わせると40年以上の活動となり、
コンサートでは新しい曲、懐かしい曲を色とりどりに散りばめ、
作曲のウラ話なども織り交ぜながら披露してくださるのですが、

「昔の楽曲を歌う時には、それを創った時代の自分が隣にいる感覚」

とお話をされていて。

いろんな時代の自分が、今の自分と一緒に生きている・・・
やっぱり岡村孝子さんは、
幾つになってもずっと少女のままで、
そしてずっと昔から大人だったんだと、
そのお話を聴いてあらためて感じたのでした。



僕もまた、脚本を書くときも、ふだんの生活においても、
大昔の少年時代の感情を自分の奧から引っ張り出し、蘇らせるというよりも、
いま生きている自分が、まるでその当時の自分であるかのように、
ものすごく新鮮な感情とともにかつて見た情景が浮かぶことが多くて。
これはきっと、僕自身が多感な時代を岡村孝子さんの音楽と過ごし、
この方の音楽や言葉を通して、いのちあるものが、生きること、死ぬこと、
不条理に感じる多くのことを思い続けてきたからなんじゃないかと、
そう思わずにはいられません。



岡村孝子さんが果たしてどうなのかは分かりませんが、
僕に関していえば、自分がそういう気質であることで、
とても生きづらさというかハンデを感じます。
様々な出来事に対処できてゆくキャパが増える一方で、
年齢を重ねてどんなにたくさん経験を積んだとしても、
少年のように心が傷つく、その頻度は変わりません。
むしろ増えている気さえします。

だからこそ物語を創るメンタルを持ち続けることができる訳ですが、
「心の肺活量」みたいなものがいつもオーバーヒートしている感じです。
岡村孝子さんもご自身の暮らしのなかで感じたことを
音楽作品に昇華させるスタイルのアーティストなので、
そのあたり、どうなのかなあと。
創作のそういうディープなお話をいつか伺える時が来たら嬉しいです。


昨年の公演『葡萄酒いろのミストラル』では、
岡村孝子さんの楽曲「ミストラル~季節風~」をメインテーマとして拝借しました。
この舞台作品は、孝子さんのこの曲があって初めて生まれた物語です。
同公演パンフレットでは、岡村孝子さんの音楽とシアターキューブリックの舞台作品の
関係性等について考察した記事も掲載しています。
最近、「緑川さんが創る舞台は岡村孝子さんの音楽がぴったりですね」という
大変ありがたいご感想をいただきました。
そのご感想をくださったご本人にもお伝えしましたが、そのコメントはちょっぴり野暮です(^○^)
だって僕の作品世界は岡村孝子さんの音楽があって、そこから生まれているものばかりですから!

『葡萄酒いろのミストラル』公演サイト
https://www.qublic.net/20mistral/




音楽シーンを含めたエンターテインメント業界も、
ようやく回復の軌道に乗りつつあり、
今回の会場も、ここ2、3年の厳戒態勢も薄らいで、
ステージと客席の心の距離もぐんと近づいた印象がありました。
かつてはOLの教祖と呼ばれた岡村孝子さんですけれど、
アーティストが教祖的立場から一方的に発信し、観客がそれを受け取るのではなく、
岡村孝子さんの現場のステージと客席は、
柏手の左手と右手のような、そういう関係なのだと思います。
ですから、想いを伝え合う濃い空間を取り戻せた喜びを、
そこにいた人たちの多くが感じていたように思いました。



病気を克服し、この場所に戻ってきてくれてありがとうございました。
今回も最後はやっぱり、それに尽きます。




岡村孝子さんの言葉と音楽の魅力の事、
その音楽から考えさせられた事などを綴った過去の記事です。
よろしければご覧ください。

2017/07/02 NO RAIN, NO RAINBOW
2017/10/16 光と笑顔あふれる庭で
2017/10/16 光を照らす人、岡村孝子さん。
2017/12/15 岡村孝子さんのクリスマス・ピクニック
2017/12/28 「気」が光る場所へ ~岡村孝子さんクリスマス・ピクニック大阪公演~
2018/06/18 泥中に咲く蓮のように
2018/09/12 世界中メリークリスマス
2018/12/05 カムパネルラのもと~岡村孝子さんクリスマスピクニック大阪公演~
2021/09/08 岡村孝子さん復活の祝祭。
2022/12/04 一輪挿しの水を入れ替える~岡村孝子さんのクリスマスピクニック~



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