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カムパネルラのもと~岡村孝子さんクリスマスピクニック大阪公演~ [日々雑録]

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『十二階のカムパネルラ』終演から1週間。
公演の余韻からここまで抜け出せないのは、なかなか無いことなのですが、
そんななか、メインテーマ曲として劇場空間を爽やかな空気で満たしてくださった
岡村孝子さんのコンサートツアー初日公演へ、お礼の気持ちを携えて行ってきました。

ふだんは、純粋に楽しい気持ちでウキウキ出かけるのですが、
今回ばかりは先週までの公演と地続きな印象を勝手に抱いていて、
この1年の苦しみや、俳優陣、スタッフ、お客さんみんなのいろんな顔が、
浮かんでは消え、消えては浮かぶ、大阪までの道中でした。
それくらいに『十二階のカムパネルラ』は岡村孝子さん無しでは語れない作品でした。


僕はもう20年近く劇作家の仕事をしていますが、
胸を張って「自分は劇作家です」と思えたことなんて実は一瞬もなくて、
「今書いている脚本は絶対に完成しないだろう」という恐怖に怯えていますし、
その脚本が無事に完成したら完成したで、今度は、
「もうこれ以上新しいお話を書くことはできない」といつも思っています。
そんな僕のいつも近くにいて、ものづくりの心を静かに煽ってくれるのが、
岡村孝子さんの言葉であり、旋律でした。

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作品のメインテーマ曲としてお借りすることになった初夏から今日まで、
『世界中メリークリスマス』をいったいどれだけ聴いたことでしょう。
もともと、僕にとってこの曲は「自動涙腺崩壊装置」たる存在だったわけですが、
まさかまさか、自身の作品を彩る曲に、、、と言いますか、
自身の作品を、無事この世に引っ張り出してくれた曲になろうとは、
一年前、同じ大阪の劇場で手拍子している時には露ほども思っていませんでした。

お芝居を観て下さった皆さんは、この曲とともに爽やかに昇天してゆく物語に、
いろいろな「救い」を感じてくださり、とても喜んでくださいました。
俳優陣も、この曲で暗転する瞬間に、共演者やお客さんとひとつに溶け合ってゆく、
そんな感触を持ってくれたかも知れません。
ですが、やっぱり一番の幸せを感じていたのは、きっと僕だろうと思っています。
今年の冬に生きている自分の姿をまったく想像できないほど、創作活動に苦しんでいた時期、
ふわっと救いの手を差しのべてくれた言葉と旋律は、
僕の人生を30年近くにわたり伴走し、この場所へ導いてくれた、この方の音楽でした。
そして、どうにかこうにか書き上げた脚本を、死力を尽くして演じてくれた俳優陣と、
その彼らの姿を見て感動してくれた多くのお客さん。
その人たちみんなの姿を間近で見ることができた僕は、
やっぱり誰よりも一番の幸せ者なんだと思っています。



僕にとって、そんな「宝物」のような存在にまでなってしまったこの曲。
この日は涙腺を崩壊させることもなく、包み込むようなこの方の音楽世界の海と、
『十二階のカムパネルラ』の光の世界を同時に堪能していました。

これまでの自分と確実に変わっているのは、


「たったひとつだけ願い叶う。サンタクロースがやってくる。」

というサビのフレーズを、
単なる美辞麗句としてではなく、
ほんとうにそうなんだ、と信じて聴けていることです。


これからも、今までよりもっともっと心の深いところで、
この方のメッセージをキャッチしていきたいと思いました。


といったようなことが心の中でぐるぐるしていたら、
公演パンフレットや大入り袋をお渡しするのを忘れてしまいました!(>_<)

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事務所の社長 金子邦雄さん、岡村孝子さん、素敵なお花をありがとうございました!

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