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今月のお題「こわいはなし」 [きゅ~め~るのお題]

シアターキューブリックメルマガ「きゅ~め~る」配信日恒例のお題ブログ。
今月は「こわいはなし」ですって。


二度までも愛する作品の公演延期を余儀なくされる新型コロナの存在以上の
こわいものを探すのは、なかなか難しいですよ。。

『葡萄酒いろのミストラル』、またしても公演延期となってしまいました。
楽しみに待ってくださっていた皆様、誠に申し訳ありません。
この件につきましては、あらためて書かせていただきます。




こわいはなし。


僕は人より怖がりなんですけど、怖いものもわりと好きなんです。
自分の経験や感覚外にあるものは、怖いと感じること多いですよね。
生まれる前とか死後のこととか。その世界にいるかもしれない存在も。

でもきっと自分が知らないだけで、
この世界と同じように何かしらの秩序があって、
そこにいる誰かしらも、何か感情を持って存在しているんじゃないかな、
そんな印象を持っているんです。
すると、あまり怖い感情が生まれないんですよね。
作品を書くときに「死」についていっぱい考えているからかも知れません。


むしろ身近な出来事のほうが怖いことが多いです。
僕は他人の視線が怖いです。


たとえば、電車のなかで気持ちよく眠ってしまって、
降りなければいけない駅に電車が停まった後、ようやく目が覚めたとき。
すぐに立ち上がればじゅうぶん間に合うのに、
僕はまわりの目が怖くて、わざわざ次の駅まで乗り過ごしたりします。


たとえば、外で缶のコーンポタージュを飲んでいて、
液体が全部なくなったのに、とうもろこしだけがいっぱい底に残ってしまったとき。
真上を向いて缶の底をぽんぽこ叩けば、とうもろこしが落ちてくるとは思うのですが、
その様子が滑稽すぎて絶対に出来ません。
「あ、あいつ、一生懸命とうもろこし食べてるぜ、だっさ……」
って思われるのが大変怖いのです。


そういう話をすると、大概「お前のことなんか誰も気にしていないよ」と言われます。
きっとそうなんだと思います。


たぶん僕自身がそういう人たちの滑稽さを常に観察して楽しんでいるのでしょう。
でも自分ほど、人は人のことを気にしてはいないのかも知れません。


こうしている今も右の鼻の穴が痒いのですが、
人の目が気になって鼻をほじくるなんて出来ません。
考えごとをする仕草を作って、鼻の穴のそばに手を当てればどうにか出来そうなんですが、
それすらも誰かが見透かしている気がしてならないのです。


ほんとうの恐怖は日常の中にあります。


以上、こわいはなしでした。

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