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『葡萄酒いろのミストラル』の公演再延期 [劇作家の時間]

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10月に上演を予定していた次回公演『葡萄酒いろのミストラル』が
ふたたび公演延期となってしまいました。
公演を楽しみに待ってくださっていた皆さん、
二度も延期となり本当に申し訳ありません。

シアターキューブリック公式ホームページの延期のお知らせ
→ https://www.qublic.net/


この作品は、劇団結成20周年記念公演第二弾として
もともとは2020年の10月の上演予定でした。
昨年春、新型コロナウイルスの発生によって
一つ前の作品『幸せな孤独な薔薇』とともに、
2021年の春と秋へとそれぞれ延期となり、今年こそは、
皆さんと一緒に1年遅れの20周年を迎える気持ちで準備を進めていました。


今年10月への公演延期を決めた1年以上前は、
「2021年の後半にもなれば、さすがに世情も落ち着きを取り戻して、、、」
という希望を持ち、変異株ウイルスなどがここまで猛威を振るうとは予想していませんでした。
根拠薄弱でもそういう希望を持つ以外、
初めて立ちはだかる難局を乗り切る術を持たなかったのだと思います。



そして今回も、ほぼ根拠のない希望を強く持って
公演中止ではなく「延期」としました。



今年の夏、秋と、舞台公演は確実に増えてきています。
これはとても喜ばしいことです。
各団体が作品づくりの傍ら懸命に感染対策を打ち、
そして多くのお客さんが惜しみなく協力を重ねてきた成果だと思います。

そうしたなか、今回のシアターキューブリックのように公演から2ヶ月も前に
延期を決定するほうがレアなケースなのではないでしょうか。



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おそらくこのまま最大限の対策をとりながら準備を進めていけば、
10月の公演を実現することは出来たと思います。


ですが、多くの皆さんに劇場空間で楽しんでほしい作品であるにもかかわらず、
大手を振って「ぜひ観にいらしてください!」と
言いたくても言えない状況が少なくともしばらくは続くことや、
「劇場で観たい!」と思ってくださっているのに、
遠方であるがゆえに行くに行けない、または感染が不安で行けない、
というお客さんのご事情を考えた際、
今のこのタイミングで公演を行なうことは、
誰にとってもあまり幸せなことではないと判断いたしました。




シアターキューブリックは小さな劇団ですが、
遠方にも多くのお客さんがいてくれる、とても幸せな劇団です。
そしてこの作品を大好きでいてくれている皆さんが、
そうした遠方にたくさんいらっしゃるのをよく知っています。

昔と違ってオンラインで作品をご覧いただけることは幸せなことですが、
「ほんとうだったら劇場で観たかった…」と残念な気持ちになる人は
一人でも少ないほうがいいに決まっています。

僕らは映像作品ではなく、
ナマの劇場空間でお客さんと一緒に唯一無二の時間を紡ぐ演劇作品を創っている人間たちですから、
お客さんのそうした想いに敏感にならざるを得ません。


今回の延期は『葡萄酒いろのミストラル』という作品を
多くの皆さんと一緒に楽しみ尽くすための最善策だと思っています。

皆さんにお待ちいただく期間はまた延びてしまいましたが、
そのぶん、皆さんに楽しんでいただける工夫を凝らしていきます!


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今回の公演延期お知らせの末尾には、
シアターキューブリック劇団員一同とは別で、
今回集まってくれた素晴らしい客演陣をはじめとする
【公演メンバー一同】という記名もあります。
この作品はすでに一人も欠くことのできない座組として動き始めています。

13名のキャストをはじめ、その他の劇団メンバー、
そして鉄壁のスタッフ陣で最高の作品づくりを目指します。
ぜひ楽しみにしていてください!!!




シアターキューブリック結成20周年記念公演第二弾
『葡萄酒いろのミストラル』
作・演出 緑川憲仁
メインテーマ 「ミストラル~季節風~」岡村孝子

公演時期 ナマで観たいと思ってくれている方々が劇場に観に来られるようになった時
恵比寿・エコー劇場

キャスト
高橋茉琴 片山耀将 奥山静香 千田剛士 榎本悟
七味まゆ味[柿喰う客] 鈴木研[第27班] 野原のぼ
星宏美 品川ともみ 冨田恭子 太田朱香 / 井俣太良[少年社中]


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今月のお題「こわいはなし」 [きゅ~め~るのお題]

シアターキューブリックメルマガ「きゅ~め~る」配信日恒例のお題ブログ。
今月は「こわいはなし」ですって。


二度までも愛する作品の公演延期を余儀なくされる新型コロナの存在以上の
こわいものを探すのは、なかなか難しいですよ。。

『葡萄酒いろのミストラル』、またしても公演延期となってしまいました。
楽しみに待ってくださっていた皆様、誠に申し訳ありません。
この件につきましては、あらためて書かせていただきます。




こわいはなし。


僕は人より怖がりなんですけど、怖いものもわりと好きなんです。
自分の経験や感覚外にあるものは、怖いと感じること多いですよね。
生まれる前とか死後のこととか。その世界にいるかもしれない存在も。

でもきっと自分が知らないだけで、
この世界と同じように何かしらの秩序があって、
そこにいる誰かしらも、何か感情を持って存在しているんじゃないかな、
そんな印象を持っているんです。
すると、あまり怖い感情が生まれないんですよね。
作品を書くときに「死」についていっぱい考えているからかも知れません。


むしろ身近な出来事のほうが怖いことが多いです。
僕は他人の視線が怖いです。


たとえば、電車のなかで気持ちよく眠ってしまって、
降りなければいけない駅に電車が停まった後、ようやく目が覚めたとき。
すぐに立ち上がればじゅうぶん間に合うのに、
僕はまわりの目が怖くて、わざわざ次の駅まで乗り過ごしたりします。


たとえば、外で缶のコーンポタージュを飲んでいて、
液体が全部なくなったのに、とうもろこしだけがいっぱい底に残ってしまったとき。
真上を向いて缶の底をぽんぽこ叩けば、とうもろこしが落ちてくるとは思うのですが、
その様子が滑稽すぎて絶対に出来ません。
「あ、あいつ、一生懸命とうもろこし食べてるぜ、だっさ……」
って思われるのが大変怖いのです。


そういう話をすると、大概「お前のことなんか誰も気にしていないよ」と言われます。
きっとそうなんだと思います。


たぶん僕自身がそういう人たちの滑稽さを常に観察して楽しんでいるのでしょう。
でも自分ほど、人は人のことを気にしてはいないのかも知れません。


こうしている今も右の鼻の穴が痒いのですが、
人の目が気になって鼻をほじくるなんて出来ません。
考えごとをする仕草を作って、鼻の穴のそばに手を当てればどうにか出来そうなんですが、
それすらも誰かが見透かしている気がしてならないのです。


ほんとうの恐怖は日常の中にあります。


以上、こわいはなしでした。

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