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ありがとう、平成31年&令和1年。 [日々雑録]

大つごもりの夜です。
思えば一つの時代が終わり、新しい時代が始まった年でしたね。
ですが、正直なところ、時代の終わりや始まりといったニュース的な出来事よりも、
なんてことないふつうの毎日を送れることが素敵なことなんだということを、
今までよりも強く感じた一年となりました。
仲間やお世話になった方々のなかには、とても大変な出来事に向き合う人もいました。
そうした人たちに、自分が出来ることなんてそもそも無いんですが、
それでも、何かしら力になれることはないだろうか…
と考える時間が多かったように思います。


今年は、劇団も会社も準備に勤しんだ一年でした。
どちらも「2020」とかオリンピックイヤーを意識したことではないのですが、
2000年に旗揚げしたシアターキューブリックは来年が結成20周年、
2年前に社長に就任した会社Nextも、いよいよ大きな変革に挑もうとしています。
どちらも、まだリリースできないことがたくさんあって、
具体的に何を指すのかまではお伝えできないのが歯がゆいかぎりですが、
「魂は細部に宿る」ことを信じ、そして再確認する作業の繰り返しだったように感じます。
来年はそれらプロジェクトの実行段階となり、相当慌ただしい一年になりそうですが、
細部に宿すことをくれぐれも見失わず、
不器用なこの生き方を貫いてまいりたいと思います。


今年も一年どうもありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎えください。


緑川憲仁

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今月のお題『サンタさんにお願い!』 [きゅ~め~るのお題]

毎月9日はシアターキューブリックのメルマガ配信日。
この日は劇団員みんなが同じお題についてブログ記事を書きますよ!
今月のお題は「サンタさんにお願い!」。だと!??  なんだ、このお題!
ホント、クリスマスネタは勘弁してほしい。。


こんな僕でも、これまでクリスマス作品を何本か作ってきましたが、
いずれもアンチクリスマス(クリスマスに無縁)の主人公しか登場しません。
というくらいに、きっと僕の中にクリスマスの要素が無いのでしょう。
そういえば昨年の『十二階のカムパネルラ』もクリスマス公演でしたが、
書いた後の感触としては、それほどクリスマスを感じていません(苦笑)。
なんだか、イヤな感じのオッサンですね。
それでいてファンタジー作品の舞台を作るっていうんですからね。

それでも、サンタに何かお願いをしなくてはならないんですが、
ぶっちゃけ、サンタさんとの距離感も全く分からないので、
何をお願いしていいのか、したほうがいいのか、するべきなのか、
もうそこから問題なんですよ。めんどくさいオッサンだなあ!

だんだん自分がイヤになってきましたwww
そう、クリスマスはなんだか自分がイヤになるのですよ。
クリスマスだって、クリスマスじゃない日だって、
世界の平和を願っているし、優しい気持ちの人間でいたい。
クリスマスの日、特別サンタさんに何か、というのが思いつかないのです。


けど、どうしても何かをお願いしていいのなら。(←へんな言いまわし)


「サンタさん、いつもと変わらぬ日常をください。」



絶望的じゃない程度の、そこそこ悩みが多い日常を。
その日常に、夢があふれ、優しい気持ちを通わせ合えるよう
日々努力をするのは僕たちですから、それは要りません。
ふつうの日が続くこと。これが何よりも欲しいものです。
と、書いていながら、その日常はありがたいことに続いています。
だから、これ以上のものを望む気が起きません。はい、悪循環。
クリスマスは、僕に何やらとても難しい課題を突きつけているようです。
いつか次に書くクリスマス作品は、いったいどんな物語なんだろうか。

シアターキューブリックのストーリーを地で行くような、
ヘンな文章を生み落としてしまいました。。


小さなころ、ぼくは「何をください」と枕元にくつしたを置いていたのかなあ。

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メイクアップ、メイクダウン。 [劇作家の時間]

芸能活動を始めたころの10代、作品づくりを始めたころの20代、
多くの人と同じように僕は「メイクアップ」の願望を持っていました。
飽くまでも、こころのメイクアップの話です。
自分がかくありたいと憧れる人物像を心に留めながら役を演じ、
日常の時間とは離れた非日常をお客さんに楽しんでもらうには、
派手で華やかな演出を…と、人物や空間を「メイクアップ」する考え方。

劇団を立て、自身の作品づくりを始めるようになって数年経った頃、
自分にとっての「メイクアップ」思考の目的が何なのかが分かってきました。
自分はなぜファンタジーの仕掛けを盛り込むのか、なぜ賑やかな演出を好むのか。
それは、物語に登場する人間だれもが持つ「非社交的」で「内なるもの」を
効果的に浮き立たせるための、ある種のバランス維持が目的なんだと。


一般的に、派手な演出が施されたファンタジー作品には、
必要以上にリアルで繊細な心理描写がされている人物はあまり登場しません。
ストーリーを楽しむには逆に足かせになってしまうからでしょうか。
ですが、シアターキューブリックのファンタジーの場合、
ファンタジーを選択している理由自体が「人の内なるものを見せるため」なので、
結果、あまり他では見ないテイストの作品になるのかも知れません。

劇団メンバーや出演する俳優に求めることも、
当然ながら「人が隠す感情」の部分へと行き着きます。

つまり「メイクダウン」の方向性。



人には見せない、見せたくない人間性。
外見やせりふ回しをそのようにすればよい、という表面的なことではなく、
俳優が自分自身の「内なるもの」に向き合わねば、けっして出てこない表現。
あるいは、それは「表現」という範疇を超えて、「表現しない演技」になるのかも知れません。

30代、40代とさまざまな時間を生きてきて、
僕自身にも「(自覚し得る)内なるもの」が増えてきました。
自然と同年代の俳優にはそれを求めるようになるのですが、
(無自覚的に)「メイクダウン」を嫌う俳優がいることも事実です。
「そんなみっともない自分をお客さんに見せたくない」という感情。
きっと「みっともない=魅力的じゃない」という気持ちなのでしょう。
厄介なのは、そうした気持ちを無自覚的に持っている場合、
その人自身は「自分はどんな役でもやります!」と思っているということ。

演出家として、今後僕の課題になることは、
無自覚的にメイクダウンを拒絶しているようなタイプの俳優に対して、
人間だれもが持つみっともない部分も含め、
いかに人間が魅力的かということを共有する言語を持てるかどうか。


劇団結成20周年記念公演の2作品に向けて具体的な準備を進めるかたわら、
作家として、こうした自分の核を再確認する時間も大切と感じたりしながら、
田嶋ミラノさんが遺してくれた『幸せな孤独な薔薇』の脚本を読んでいます。

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シアターキューブリックの公演予定
『幸せな孤独な薔薇』
作 田嶋ミラノ 演出 緑川憲仁
2020年4月9日(木)~15日(水)
浅草九劇

キャスト
片山耀将 奥山静香 千田剛士
西川浩幸[演劇集団キャラメルボックス]
首藤健祐[東京ハートブレイカーズ]
鈴木研[第27班] 眞実 坂本実紅


『葡萄酒いろのミストラル』
作・演出 緑川憲仁
2020年10月21日(水)~25日(日)
恵比寿・エコー劇場

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