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融資、つまりは借金ね。 [社長の時間]

日本全国、内部留保の少ないどこの中小企業もそうだと思いますが、
ウチの会社も昨年から何本も「融資」を受けまくっています。
融資って一応、銀行(貸し手)の審査がありまして、
それを通った企業が規模や業況によって決められた限度額まで
融資を受けることができる、という仕組みになっています。
というふうに書くと、
選ばれた企業が一定の資金を融通してもらえるありがたい制度だと感じますが、
どのみち利息を付けて返さなければならない「借金」なんですよね。
「融資」って言葉、「借金」って言うよりちょっぴり体裁が良いので、
実際の怖さが伝わりづらい言葉です。
お金を借りるとき窓口にいたのは可愛いお姉さんなのに、
いざ取り立てとなると怖いお兄さんが出てくる消費者金融のようです(笑)。
なので、自分が現実を直視するためにも、スタッフの誤解を回避するためにも、
僕は社内ではなるべく「借金」と言うようにしています。


借金をするからには、当然返すアテがなければ危なっかしくてたまりません。
ですがこのご時世、エンタメ業界は昨年春から停滞・低迷し、会社の業績も壊滅的。
借金でもしなければ、会社は一瞬にして潰れてしまいます。
会社が潰れれば、小さな会社といえども50人近くのスタッフは路頭に迷ってしまいます。
そのため、大変危険な選択と知りつつも、
返す算段がないまま巨額の借金をせざるを得ませんでした。
そもそも、まったく先が見通せないこんな状況下で
借金を返す算段がつく企業なんてどこにもないですよね。



日本には飲食店が数多く、また観光立国でもあります。
ですが、飲食産業と観光産業だけで国が成り立っているわけではありません。
のはずなのですが、今日もまた飲食関連の業種に向けて一時金支給の報があったように、
コロナ対策でクローズアップされるのは専らそれらの業種で、
雇用調整助成金はじめ、援けになる補助は皆無ではないものの、
休業や時短要請のない業種の企業に対しては、
「無担保・無利子の融資制度を作ったので、ぜひそれを活用して存分に事業に勤しんでくださいね」
という、一見親切な顔を見せていながら、その実状は見捨てるに等しい無慈悲さです。


なぜなら、借金をしたからには
当然、事業による売上を通常時以上に稼いで、返していかなければなりません。
当社も少しでも借金に頼る状態を軽減すべく事業の多角化に挑み、
社会や業界への貢献度を上げ、同時に売上を伸ばす行動に出ています。
ですが、政府は感染拡大を止めるため国民に外出自粛を呼びかけます。
真面目な多くの日本人は、過度な外出を控えます。
当社のように止むを得ず融資を受けた企業は、
返済の原資を確保すべく通常時以上に稼がねばならないのに、売上は当然下がります。
思いきり矛盾しています。

【国民の命を脅かしかねないこの大矛盾を、政治家の先生たちはどのように説明するのでしょうか】



「それで(会社が)持たないなら、死ね」

という気持ちが透けて見えるのは僕の目だけでしょうか。



国と零細企業を比べても仕方ありませんが、
僕は50人近くの仲間が携わる会社の代表者として、
一人たりとも切り捨てることは考えていません。
社会や業界に貢献することと同時に、
会社に関わる人たちの生活を守ることも、
企業の大切な役目だと思うからです。
(断腸の思いでリストラを断行せざるを得なかった
経営者の皆さんの判断が間違っているとは露ほども思いません)


どうも、国の政策や首相のメッセージを見たり聞いたりしていても、
そうした国民への慈愛を感じることができず、政治や政治家に対して
日々大きな不安と不満と怒りと焦りと、何よりも人としての悲しさが積もります。

そんなことを嘆いたところで、
僕が守るべきものは守らねばなりません(もちろん悪徳な手法以外で)。
この思考のサイクルが始まってから、まもなく1年が経ちます。
それでも、まだ頭が禿げたり、白髪だらけになったりしてはいないので、
僕の努力は全然足りないのかも知れません。
その一方で、
「少なくとも自分で死を選ぶようなことはダメだからな」
と、時々自分に言い聞かせている自分が、「ふつうではないな」とも思っています。
(まだまだ世界中のいろいろな景色を見にいきたいので、そんなことはしませんが…)


不要不急の業界と思われがちな文化芸術を支える小さな小さな会社ですが、
多くの人に生きる希望や心の栄養を届ける芸術は、
「家や食べ物や服と同じくらい大切なもの」という想いのもと、
たくさんの人の幸せに繋がることを信じて、力が続く限りがんばります。


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今月のお題「今年の抱負を漢字一文字で」 [きゅ~め~るのお題]

2021年最初の「犬なのかもしれない」。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
毎月9日の劇団メルマガ配信日にやってくるお題ブログ。
新年最初の今月は、毎年恒例の「一年の抱負を表わす漢字一文字」。


生まれて初めての経験の連続だった2020年を振り返った時、
「生」という文字がいちばんぴったりな一年だったなあと感じました。
2020年は、自分や家族や仲間が無事に生きていくことを考え続けた年でした。
こんなに「生きていること」「生きていくこと」について毎日一生懸命考えた年はなかったと思います。
そして、遠く離れた友人のSNSを見て、元気そうに生きていることに元気をもらったりして、
「お互い生きているだけで幸せなことなんだよなあ」ということをあらためて感じる年でした。


2020年から2021年に変わったとはいえ、その感覚は今も明瞭で、
あらためて他の文字は出てきませんでした。

なので、緑川憲仁の2021年の一文字は【生】です!(牛じゃないよ(笑))
これは上で書いた「生きていく」ことの「生」でもあるし、
飽くまでも舞台芸術を追い求め続けるライブの「ナマ」でもあります。

これって、僕の人生の根幹部分のことなので、
2022年も、23年も同じ文字になりそう……(笑)

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