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未来はもともと五里霧中 [社長の時間]

毎日とにかくニュースを見ています。
コロナのニュースばかりで気が滅入りそうですが、見ずにはいられません。
この状況下で苦しんでいるのはけっして自分だけじゃないんだという事実を
できるだけたくさん得ることで、自分を落ち着かせようとしているのかも知れません。



この2か月、今までにないほど追い込まれている自分を感じています。
起きてから眠るまで。
劇団を20年もやってきましたし、アルバイト収入だけの時代も長くありましたから、
経済的困窮には割と慣れているほうだと思うのですが、
経営する会社の経済となると、個人のそれとは桁が違います。


舞台業界は緊急事態宣言が出る1ヶ月半も前から公演を自粛する興行が相次ぎ、
4月、5月は業界全体が完全に凍結してしまっています。
この先、仮に宣言が解除されたとしても、瀕死の状態の業界が活気を取り戻すまでには、
感染防止対策の徹底、風評払拭の努力、安心の共有、
なにより各団体の財政的体力の回復等々、難題が山積です。
その間も会社を維持するためには、零細企業とはいえ数千万円の資金が必要です。

今日は先日申請した融資決定の通知を受け取り、また別の新たな融資手続きを行いました。
「融資が決まった」という知らせを受け取って、ホッと安堵した反面、
ものすごく大きな不安がこころに垂れ込めました。
ぶっちゃけ、この大金を返す算段なんて無いも同然です。
この借金の返済が始まるころ、
果たして舞台業界がどうなっているかなんて、誰にも分からないのですから。
それでも僕は大金を借りました。
もはや、「この今を生きるため」という動物の本能のようなものです。

世の中、僕みたいな不安で溢れかえっているのだろうなと、
毎日ニュースを見ていればイヤでも分かります。
むしろ僕が抱えた借金の額なんて、牛のお尻に止まった蠅のようなものかも知れません。



コロナの前から、今日のうちに明日のことが分かるなんてありませんでした。
未来はもともと五里霧中です。
そう思えば何もかもすっきりできそうですが、そううまくも行きません。
コロナといい、この巨大な不安といい、目に見えない敵というのは大変厄介です。
自分を律して、奮い立たせて、不安を散らして、仲間を鼓舞して、
的確な判断と行動をしながら、死なずに生きていかねばなりません。





不安の海を泳いでいくときには、「確かなもの」が頼りになります。


目の前の仲間。家族。お客さん。

立ちはだかるハードル。並べられた数字。

愛用のノート。ボールペン。

羊水のように包みこんでくれる音楽。

天国みたいなお布団。

そして、生きている自分。




そういった確かなものをフル活用して、
生きがいMAXで生きてゆくほかないのだろうなと。




サバンナの大地で、猛獣と見つめ合ってしまった瞬間の小動物。
それがいまの僕です(笑)
次の瞬間生きているか分からない最悪の状態。
あるいは生きている実感フルマックスの最高の状態。

だいじょうぶ、未来はもともと五里霧中。


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