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Return to the Roots [日々雑録]

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旅と演劇のコラボレーション公演、ローカル鉄道演劇。
今ではシアターキューブリックの活動の柱のひとつです。
初めてこの公演を行なってから今年でちょうど10周年、
節目となる今年、僕らはそのルーツの地・千葉県銚子に還ります。

劇団を結成してから7~8年が経った2008年ごろは、
若さの勢いだけでやっていた20代が終わり、
自分たちが演劇活動を続ける意味について考えるようになっていました。
この時代に演劇作品を発信する意義はいったい何だ??
僕らは、自分たちが暮らしやすい「演劇村」のような場所に閉じこもってはいないか??
そもそも、どうして僕らは演劇作品を創ろうとしているんだ??
劇団を創った頃は、考えもしなかったようなことを考えるようになっていました。
そうしたジレンマが行き着いた先、それがローカル鉄道演劇でした。


走行する列車で上演するこの公演は、
劇場での公演と違い、稽古場で積み上げた表現がそのまま再現できません。
「うっかり一般のお客さんが乗ってくる」
「併結している一般車両でのお客の乗り降りで時間が伸びる」
「車両の種類によって加速が違う」
「対向列車が遅れて、行き違いの駅で数分停まる」
こういったアクシデントが日常的に起きます。
劇場で上演する演劇も、ナマであることは間違いありませんが、
その瞬間起こり得る環境すべてに身を委ねなければならない
ローカル鉄道演劇は、究極のナマのように感じます。
この公演が孕んでいる特殊なハードルの高さによって、
僕らもあらためて演劇の面白さや難しさを学んだ気がします。

そして、「演劇」と「地域」のコラボレーションの意義深さ。
キャスト・スタッフ・お客さんが会場に大集合しなければならない「演劇」。
考えようによっては、大変不便なエンターテインメント。
ただ、別の考えようによっては、大変奇跡なエンターテインメント。
その「奇跡」をもっと輝かせたい!そう考えた時、
「地域」の魅力とのコラボレーションは、相当な必然性がありました。
2008年、2009年、銚子で学んだことを活かして、
今度は鉄道を用いないスタイルで岐阜県関ケ原にて、
そして地元の墨田区で、学習と実験を繰り返しました。
そして、ローカル鉄道とのコラボレーションも、岐阜県の樽見鉄道、
香川県のことでん、茨城県のひたちなか海浜鉄道と、
次々と新たな挑戦を続けてきました。
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それから10年。僕らは、ふるさとの銚子に戻ります。
そのあいだにすべてが10年の時を刻みました。
同じ人物、同じ場所であっても、10年の時間の蓄積は、
いろいろな変化をもたらしていることと思います。
その変化が作品にどういう影響を与えるのか、今の僕には分かりません。
それに出会うことが、今回の旅の目的なのかも知れません。

このところ、自分のルーツに向き合う出来事が続いています。
自身の核を見つめ、思考を深め、初心とともに新たな挑戦へ向かう。
仲間やお客さんと一緒に、旅を楽しみながら、
ふるさとから多くのことを学びたいと思います。

ジャーナリスト・杉山淳一さんがITmediaビジネスONLINEの記事に取り上げてくださいました!
ぜひ読んでみてください。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1801/12/news036.html

公演情報
『銚電スリーナイン~Return to the Roots~』
作・演出 緑川憲仁
会場:銚子電鉄列車内&終点・外川(とかわ)のまち
2018年7月中旬~7月下旬
キャスト ほしあいめみ 高橋茉琴 片山耀将 谷口礼子 千田剛士 榎本悟 ほか
☆続報をおたのしみに!☆

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