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神宮前駅跡から思うこと [日々雑録]

外国の人から見ると、日本の街の変化はものすごい速さであるらしいです。
たしかにヨーロッパの街は年季の入った風景が多いですからね。
ヨーロッパで150年前と変わらない場所なんてきっといっぱいあるでしょうけど、
東京で150年前と変わらない場所なんて、江戸城の内堀と寺社の一部くらい?
そもそも150年前って言ったら、ふつうにちょん髷結ってた時代なんですよね。
それも驚きですね。

さて、東京最初の地下鉄、銀座線が誕生してから90年が経つそうです。
そして、かつて表参道駅そばにあった神宮前駅跡が期間限定でライトアップされています。
神宮前駅は銀座線表参道駅ホームの渋谷寄りの場所にあった駅で、
昭和13年に出来た時は「青山六丁目」という名前でした。
その神宮前駅が、昭和47年に千代田線の表参道駅と統合するときに、
新設ホームが銀座寄りに新設されたので、この部分が旧ホームになったのだそうです。
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自分が生まれる前の東京の街の一部が、地下の片隅にそのまま残っているって、
とても幻想的で、とてもすごいことです。
ただでさえ、東京はどんどん新しくなっていってしまう街です。
まるで、口数の少ないお爺さん先生に、
「お前が住んでいる街はな、昔の人の夢と努力で作られた場所なんだよ…」
って教えられている感じがします。
ノスタルジーとか、そういう情緒的なことではなくて、
今、自分が暮らしている街は飽くまでも「借りもの」で、
必ずいつか次代の人たちに譲っていく時が来るということを、
昔の建築や、変わらずにいる場所は教えてくれている気がします。

「ゼロから創っては全部壊す」。
日本がその循環から卒業できたら、もっと素敵な国になっていくだろうなあと思うし、
きっと今、既にそういう方向に向かっていっているように思います。


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