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シアターキューブリック20周年! [劇作家の時間]

20年前の今日、2000年2月27日にシアターキューブリックは誕生しました。
「じぶんの劇団」という自負のもと、自分の肉体や魂と一体化した感覚で
創作を続けてきましたし、これからもそうだと思いますが、
一方で、現メンバーはもちろん、長く関わってくれているスタッフさん、
かつての劇団メンバー、そしていつも応援してくれているお客さんたちも含めた
「みんなの劇団」という感覚も年々強くなっているのも事実です。

「20周年おめでとうございます」と言われることの多い立場ですが、
逆に、僕もいろいろな方たちに「20周年おめでとう!」と言いたい、
実はそんな気持ちなんです。



今でも時々語り草になっていますが、劇団の母体を持っていなかった僕らは
100名を超える応募者を集めて劇団結成オーディションを行ない、
今はもうなくなってしまったシアターVアカサカという劇場で旗揚げ公演をやりました。
3回目の公演では新宿のシアターモリエール、
4回目の公演では新宿のシアターサンモール、
と、勢いまかせ、勢いオンリーの草創期でした。
何しろ、一本も脚本を書いたことがなく、一度も演出の経験がないまま
劇団を創ってしまったので、「演出家とは何をすべき役割なのか」、
24歳の大バカは、その哲学をまったく持っていませんでした。
稽古場の役者に辛辣な言葉を浴びせることが使命、とさえ思っていた時期もありました。
劇団を創る前、10代の俳優時代も思い出したくない黒歴史ですが、
シアターキューブリック初期の僕も、おぞましい大汚点だと思います。
いま思うと、よく潰れなかったものだと思います。
それだけ仲間やお客さんに恵まれていたのだと思います。


実際、2010年に墨田区へ劇団の本拠地を移し、
「演劇のチカラでまちを遊園地に!」というテーマを掲げてからは、
全国各地域の異業種の皆さんと出会い、世界の広さを知り、
ローカル鉄道演劇や武将隊といった劇場空間にこだわらない活動を通して、
よりいっそうお客さんの存在を強く感じられる機会が増えていきました。


演劇は考え方によってはめんどくさい娯楽です。
わざわざ出かけていかなくちゃいけない、
チケット代もそこそこかかる、
観劇前に作品の情報があまりない、
公演が終わったら二度と観られない。。。


でも、直接会えるんです。

作品や、スタッフや、機会によってはアーティストや、そしてお客さん仲間と。
これって、お客さん側だけが感じる喜びじゃなくて、
作品の作り手である僕らもまったく同じなんです。
20年前のじぶんは、きっとこの喜びに気づいていなかったと思います。

けど、「その時のじぶんにガツンと言ってやりたい!」とは、あまり思いません。
この20年の成功体験、失敗体験があってのこの感覚は、
近道ルートで辿りつける場所とは思わないからです。


シアターキューブリックを20年続けてこられた理由は、
もしかしてこれなのかなって、いま書きながら思いました。
「それまでの自分が知らなかった場所(=境地)へ連れていってくれるもの、、、」
知らない土地を旅する列車のような存在、
それが僕にとってのシアターキューブリックなのかも知れません。


これからも、「じぶんの劇団」、「みんなの劇団」、
この二つの感覚をたいせつに、終点まで楽しい旅を続けていきたいなって思います。

劇団結成20周年おめでとうございます。そしてありがとうございます。




★2020年の公演スケジュール★
シアターキューブリック結成20周年記念公演第一弾
『幸せな孤独な薔薇』
作 田嶋ミラノ 演出 緑川憲仁
2020年4月9日(木)~15日(水)
浅草九劇

キャスト
片山耀将 奥山静香 千田剛士
西川浩幸[演劇集団キャラメルボックス]
首藤健祐[東京ハートブレイカーズ]
鈴木研[第27班] 眞実 坂本実紅

チケット発売中!


シアターキューブリック結成20周年記念公演第二弾
『葡萄酒いろのミストラル』
作・演出 緑川憲仁
2020年10月21日(水)~25日(日)
恵比寿・エコー劇場

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『Bright』
『フェイス・ザ・ラビリンス』
『オシャマンベ』
『おとうさんのいちばん長いクリスマス』
『葡萄酒いろのミストラル』
『君のヒトミに恋してる』
『宇宙をskipする時間』
『風ときどきポルネ』
『さよなら夏のリセ』
『サンタクロース・ドットコム!』
4FLAGS『Every breath you take』
『葡萄酒いろのミストラル』
『エノデン・スリーナイン』
『プルシアンブルーの瞳』
『タンデム』
体験型演劇「演劇であそぼ!」スタート
『フェイス・ザ・ラビリンス』
『レグルスのガラスの翼』
『誰ガタメノ剣』
ローカル鉄道演劇『銚電スリーナイン』
『ベイクド・マンション』
ローカル鉄道演劇『銚電スリーナイン~さようなら、イワシ号~』
長宗我部供養祭ツアー公演
『誰ガタメノ剣』
『曳舟湯の怪人』
宇喜多秀家フェス『宇喜多秀家物語』
『誰ガタメノ剣』<高知・東京ツアー>
『長宗我部珈琲店』
関ケ原東西武将隊
『島津の疾風』
帰ってきたキューピッドガールズ結成
『葡萄酒いろのミストラル』
『Fire&Fight SUMIDAAA!』
関ケ原東西武将隊『四百年の襷』
『宇宙をskipする時間』
『てのひらに眠るプラネタリウム』
二次元スクリーン劇場『誰ガタメノ剣』『葡萄酒いろのミストラル』
『島津の疾風』<東京・鹿児島ツアー>
箱根海賊船『パイレーツ・オブ・ロワイヤルⅡ』
二次元スクリーン劇場『島津の疾風』
『七人みさき』
ローカル鉄道演劇『樽見鉄道スリーナイン』
『サンタクロース・ドットコム!』
長宗我部フェス・長宗我部まつり公演
ローカル鉄道演劇『ことでんスリーナイン』
ローカル鉄道演劇『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』
ローカル鉄道演劇『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン ~spring version~』
北斎美術館 墨に夢プロジェクト
『キラキラ橘ドラ街ック商店街!』
『寺島浴場の怪人』
『☆キラキラ橘☆SHOW店街でショー!』
『キラキラ橘笑店街でござる!』
ローカル鉄道演劇『銚電スリーナイン~Return to the Roots~』
『十二階のカムパネルラ』
二次元スクリーン劇場『葡萄酒いろのミストラル』『十二階のカムパネルラ』
『キラキラ橘☆笑店街でショー!』
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『幸せな孤独な薔薇』明日から発売開始です! [劇作家の時間]

シアターキューブリック20周年記念公演第一弾
『幸せな孤独な薔薇』のチケット一般前売がいよいよ明日から始まります!


自分のことながら「20年」という時間の長さは、なかなかの重さがありますね。
生まれた赤ちゃんが成人するまでと同じくらいの時間、
仲間たちとひとつの劇団で活動を続けてきたわけですね。
シアターキューブリックでは、旗揚げ以来オリジナルの脚本の上演を重ねてきましたが、
20年目の今年、初めてオリジナルじゃない作品に挑みます。
昨年夏の劇団企画会議で「選択肢無し」で決まったのが、
この『幸せな孤独な薔薇』です。


劇団の旗揚げと同じ2000年、この作品を新宿のシアターアプルの客席で観たとき、
終演後しばらく立ち上がれなくなってしまうくらいに感動したのを、
今でもはっきりと覚えています。「感動」っていう表現、なんだかチープですね…(笑)
「ぼくの進む道はもう演劇しかない!」そう思ってしまった瞬間でした。

それ以来、劇団公演としてでも、そうでなくても、
「いつか必ずこの作品に携わりたい」と
心の引き出しにずっと大事にしまってきました。
そして、その時がついにやってきました。
結成15周年でも、25周年でもない、20周年の今年でした。


しかも、驚くべき役者さんたちが出てくださることになりました。
キャラメルボックスの西川浩幸さん。
西川さんは大先輩の劇団、キャラメルボックスの看板俳優。
正直なところ、緑川が西川さんを演出する日がやってくるなんて、
一秒も思ったことがありませんでした。ほんとうに。
なにしろ高校生の頃から、足繁くサンシャイン劇場に足を運んだり、
キャラメルボックスの上演ビデオを観たり、
今の今でも西川さんは完全に憧れの存在(=ヒーロー)です。
そして、憧れといえばもう一人、ふたたびお世話になる首藤健祐さん。
首藤さんはなんと20年前の『幸せな孤独な薔薇』のキャストでもありました。
ダンディーなのになぜかかわいい首藤さんの虜です、今でも。
演劇ファンの皆さんにとっても、西川浩幸さんと首藤健祐さんが同じ舞台に立つ、
というのは、かなり垂涎の舞台になるのでは!?と思っています。
実は、誰よりも僕が客席で観たい!!と思っていたりもします(笑)

ほかにも6年ぶりにご一緒する第27班の鈴木研くん、
先日の劇団公演でも、絶妙な“ちょい悪”加減に磨きがかかっていました。
『十二階のカムパネルラ』で好演してくれた眞実さんと坂本実紅さん。
この二人の新境地、ぜひ観てみたい!と思えるような、わくわくする役どころです。
眞実さんは、なんとこの作品が初主演。
彼女の真摯さと不器用さが、いかんなくパワーを発揮することと思います。
眞実さんは身長が高い女優さんなのに、小柄なミラノさんが演じた「ルカ」を演じる様子が、
ふわ~っと引き込まれるように想像できたんです。
何か共通する魅力があるのかも知れません。不思議な感じです。
稽古場でそれを探すのが楽しみです。

そんな豪華客演陣をお迎えしての20周年記念公演第一弾です。
あ、一昨年の『銚電スリーナイン』で役者復帰したメンバーの奥山静香は、
かなり久々の劇場公演です、こちらもお楽しみに!!


2月22日(土)の午前10時から発売開始です。
もうすぐ稽古も始まりますので、その様子もお知らせしていきたいと思います。
キャスト・スタッフのみなさんの魅力を合わせながら、
いつもとは一味も二味も違うシアターキューブリックの作品を必ずお届けします。
それでは劇場でお待ちしております!!


以下のURLからは緑川の扱いにてご予約いただけます。
https://ticket.corich.jp/apply/105588/006/


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シアターキューブリック結成20周年記念公演第一弾
『幸せな孤独な薔薇』
作 田嶋ミラノ 演出 緑川憲仁
2020年4月9日(木)~15日(水)
浅草九劇

キャスト
片山耀将 奥山静香 千田剛士
西川浩幸[演劇集団キャラメルボックス]
首藤健祐[東京ハートブレイカーズ]
鈴木研[第27班] 眞実 坂本実紅

一般前売開始 2月22日(土)10時~

シアターキューブリックホームページはこちら!
http://www.qublic.net/

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今月のお題「シアターキューブリック 成人する君へ」 [きゅ~め~るのお題]

今月いよいよ劇団結成20周年を迎えるシアターキューブリック。
毎月9日に書いている劇団メルマガのお題ブログ、
今回は成人するシアターキューブリックに向けてのメッセージをば。


生まれてからの2~3年は右も左も分からず、勢いだけで生きていましたね。
そのあとやってくる5年間くらいは、
慣れが芽生えたり、目標が見えなくなったり、闇のなかでもがいた時代でしたね。
歴史作品&ローカル鉄道演劇に初チャレンジした2008年から、
いまのシアターキューブリックのカラーが生まれはじめました。
どちらも「まち」「歴史」という要素が作品に絡んでいた結果、
その後掲げることになる活動テーマ「演劇のチカラでまちを遊園地に!」
というシアターキューブリックの核をかたちづくることになっていきました。

千葉県の銚子を皮切りに、いろんな風景のなかを旅しましたね。
高知、岡山、関ケ原、鹿児島、箱根、岐阜、香川、ひたちなか。
東京の劇場でお芝居を作っているだけでは、
辿りつけなかった貴重な経験、出会い、学び、よろこび。

奇跡のような20年だったと思います。



これから先、どこまで旅はつづくのか、誰も知りません。
間違いなく言えることは、今までの20年間で経験したことは、
宇宙の片すみで起きたほんのちょっぴりのことたち。
まだまだ知らないおもしろいことがいっぱいあるということです。


この先30歳、40歳を迎えるまで活動が続いたとしても、
あなたのなかの「こどものこころ」をぜひ大切にしていてください。
そのこころが、きっと次の出会いへと導いてくれるとおもいます。

そして奇跡的に出会った目の前にいる一人ひとりを大切に。
そのこころが、きっとこれまでの苦難を癒してくれるとおもいます。


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★今後のスケジュール★

シアターキューブリック結成20周年記念公演第一弾
『幸せな孤独な薔薇』
作 田嶋ミラノ 演出 緑川憲仁
2020年4月9日(木)~15日(水)
浅草九劇

キャスト
片山耀将 奥山静香 千田剛士
西川浩幸[演劇集団キャラメルボックス]
首藤健祐[東京ハートブレイカーズ]
鈴木研[第27班] 眞実 坂本実紅

一般前売開始 2月22日(土)10時~



シアターキューブリック結成20周年記念公演第二弾
『葡萄酒いろのミストラル』
作・演出 緑川憲仁
2020年10月21日(水)~25日(日)
恵比寿・エコー劇場

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