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今月のお題「葡萄酒いろのミストラル、見どころ!」 [きゅ~め~るのお題]

シアターキューブリックのメールマガジン「きゅ~め~る」配信日恒例のお題ブログ。
今回は『葡萄酒いろのミストラル』公演直前スペシャルというわけで、
メンバーそれぞれの視点で作品の見どころを紹介し、
僕を含めた現場メンバーは、豪華客演陣のご紹介を担当します!
(誰が誰をご紹介するかは劇団会議の時「あみだくじ」で決めました(笑))




1割1分1厘の確率で引き当て、僕が紹介するのは、ズバリこの御仁。










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高橋茉琴さん!!!!!!!







今回の作品で7回目のシアターキューブリック出演になる彼女。
これまでも折に触れて紹介してきましたが、あらためて彼女のことを書かせていただきます。




客演の女優さんに対しては、稀にあだ名で呼ばせてもらっている人が少数いますが、
大概、苗字または下の名前に「さん」を付けて呼びます。
…なんですけど、高橋茉琴の場合は気づいたら「高橋」と呼んでいました。
「高橋さん」と呼んでいた記憶はまったく無いことから考えると、
かなり早い時期から呼び捨てで呼んでいたのでしょう。
なんでなんだろう……と自分でも時々考えますがよく分かりません。


分からないんですけど、ソウルメイトの類であることは間違いありません。

それは初めて出演してくれた2014年5月『七人みさき』の時、既に感じていました。
この公演の千穐楽、あうるすぽっとの広いロビーの隅っこで作業をしていたら、
小柄な彼女がぺこぺこ~っとやってきて、僕の前でしゃがんだと思ったら、
まるで宇宙に連れていってくれそうなエピソードをさらっと話してくれました。
何のことやら分かりませんよね?
ふつうの会話ではあまり話さないような内容です。
そうした内容を話せるヤツだと、きっと高橋も思ってくれたのでしょう。
僕のほうも、ごくごく自然にそのお話を聞きました。
そして、「やっぱりこの子はそういう人だったんだな☆」と納得しました。
本番前のほんの数分のことです。
その、ほんの数分の時間が、その後の二人の関係性のもとになった気がします。

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▲2014年5月『七人みさき』の稽古場にて。


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▲2014年5月『七人みさき』舞台写真。(宮内敏行さん撮影)



その後、二度目の出演『サンタクロース・ドットコム!』の時には、
ある意味、主人公以上に作品を支配するポジションの役どころをやってもらい、
ローカル鉄道演劇でもヒロインをやってもらい、
2018年の『十二階のカムパネルラ』では主演を務めてもらいました。



劇団メンバーどうしの絆というのは、信頼、愛着、腐れ縁等々、
いろいろな意味で相当な関係性の濃さがありますが、
それに勝るとも劣らないくらい、
いや、それとはまったく別次元の強い繋がりを感じるのがこの人です。




「脚本を書く」という作業は、脚本家によって様々なタイプがありますが、
緑川の場合は、完全に自分自身を切り売りするタイプです。
自分が生きている今現在の感覚と、これまで生きてきた時間に対する後悔や反省、
そしてこれから生きてゆく時間に対する夢や不安。
「現在」「過去」「未来」、
この3つのベクトルがごった煮になって、その都度、作品が生み落とされます。


脚本というのは、小説や漫画と違ってそれ単体では完結しません。
具現化してくれる演出家や俳優がいてくれなければ、ただの骨ばった文字群です。


そういった質の脚本を舞台上に立体化してゆくシアターキューブリックの現場で、
俳優としての高橋茉琴の存在感は、僕が脚本を書く時に混ざりあう時間的ベクトル
「現在」「過去」「未来」の3つの匂いをいつも漂わせています。

それは「リアル」「憂い」「希望」という言葉に置き換えることができるかも知れません。

その一つでも欠けるとダメなのですが、
高橋はその3つをいつも匂わせてくれています。
きっと彼女はそれを意図してはいないはずです。
呼吸するのと同じ自然な状態で、それを感じ続けているのだと思います。


彼女の眼差しの揺らぎがそうなっているし、
言葉が出てくる前の間合いがそうなっているし、
ひ弱さと力強さが混ざっている立ち姿がそうなっています。

だから全幅の信頼を置いて、作品を委ねることができます。
自分が書いた作品が役者たちのものになり、
観客のものになる道すじが出来上がります。



あらためて、高橋茉琴との時間を振り返ってみると、
7度の創作を共にしている割には、実はそれほど多くの言葉を交わしてはいません。
言葉を交わしていなくとも、いろんな波長を共有している感じがします。
それは8年前のあうるすぽっとのロビーでの、ほんの数分のやりとりから続いています。




さてさて、今回の作品は、この高橋茉琴をはじめ、
結成20周年等身大のシアターキューブリックの世界を体現してくれる俳優陣が集まっています。
旗揚げ以来ずっと一緒のメンバーから今回が初出演のメンバーまで、
13人のキャストが、この13人でしか出せない空気を放っています。
一つの作品を作りあげるために、心をひとつにする意識を持ちつつも、
人と人のあいだには埋まることのない凸凹があります。
その凸凹のいとおしさを感じてもらうのがシアターキューブリックの舞台であるようにも感じます。

今回もその凸凹は健在です!ぜひ『葡萄酒いろのミストラル』の世界へお越しくださいませ。

『葡萄酒いろのミストラル』公演ホームぺージはこちら!
https://www.qublic.net/20mistral/



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▲2014年12月『サンタクロース・ドットコム!』の稽古場にて。

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▲2014年12月『サンタクロース・ドットコム!』の稽古場にて。

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▲2015年11月『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』舞台写真。(宮内敏行さん撮影)

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▲2016年3月『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン-spring version-』舞台写真。(宮内敏行さん撮影)

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▲2018年7月『銚電スリーナイン~Return to the Roots~』舞台写真(宮内敏行さん撮影)。

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▲2018年11月『十二階のカムパネルラ』情宣写真。(渡辺慎一さん撮影)

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▲『葡萄酒いろのミストラル』稽古中の一コマ。ダメ出し時はよくこういう鳩みたいな表情になっている。

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▲『葡萄酒いろのミストラル』の13人。最高のメンバー。


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