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品物を売っているんじゃない、情を売っているんだ。 [社長の時間]

ネビュラエクストラサポートというウチの会社は、数多の公演チラシを束にして
主催団体が公演を行なう劇場へ、チラシ束を納める仕事をしています。
さらに新国立劇場やステージアラウンド東京などで行われる一部の公演では、
ロビーでのチラシ束配布までを担当するケースも出てきました。


劇場で直接お客さんに接する機会は、
僕らにとってはとても貴重な学習の時間でもあります。
会社の事業でも、社員それぞれの担当業務でも、
「専業化」というのは合理的で効率化を促進できるものです。
ただ、気をつけていないと、気づかぬうちに視野を狭めてしまう場合もあります。
合理的というのは、得てして非合理的なものだったりもしますね。
演劇が好きで、演劇のチラシの仕事に関わりたいと思っていたとしても、
数百種類の公演チラシに囲まれているだけの日々を送っていたら、
もしかすると、いつしか大好きなはずの演劇のチラシが、
ただの紙っぺらに思えてきてしまうかも知れません。
また、演劇のチラシのことを、フツーに演劇のチラシとだけ捉えていたら、
そこに創作はありません。
演劇を愛する人間なら、そこにひと手間加えたいと思うものです。


演劇のチラシは、その公演に関わる表現者たちの「情熱」なんですよね。
僕らはその情熱を摺りこんだチラシをお預かりして、お客さんに届ける仕事です。
であれば、ロビーで手渡すものは、チラシ束ではなく、「情熱」なはずです。
二次元の紙にひと手間加えて、表現者たち、そして僕らの気持ちを吹き込んで、
その気持ちをお客さんに届けることができて初めて、
チラシは本来の意味を持ち、僕らの仕事の意味もあるのだと思います。

ロビーでの配布業務は、多くのお客さんの反応や言葉や表情を見て聞くことができます。
すると、会社で見慣れているはずのチラシ束の本来の役割を思わずにはいられなくなります。




「俺たちは品物を売っているんじゃない、情を売っているんだ。」

僕が7年前に書いた脚本に登場した、ある商店街の店主の台詞です。
“品物を買うだけなら、通販でもスーパーでも買える。
けど、俺たちは品物を買ってもらうだけじゃなくて、情を交わしている。
そこに商店街の価値がある。” といったような場面の台詞です。
なんだかふと、そんな自分が書いた言葉を思い出しました。


これからも、自分たちの仕事の本質と向き合うことができる、
学びの機会をもっともっと増やしていきたいと思います。



10月27日に千穐楽を迎えた『ウエスト・サイド・ストーリー』。
豊洲のステージアラウンド東京のロビー。
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